年金、定年そして就職難

厚生年金の受給年齢引き上げが検討されている。現在の65歳から68歳へと引き上げられるようである。一方、定年は相変わらず60歳で、希望者は65歳まで働くことができるとする制度を持つ企業が多いようである。

65歳まで働くことができたとしても厚生年金の受給年齢が68歳になれば3年間の空白期間が生じる。そこで、厚労省は、68歳になるまで働けるように企業に協力を求めるか、あるいは定年延長を義務化しようと考えているようである。これでめでたし、めでたしとなる。

と思いきやこれはとんでもないことである。企業にとっては、定年が延びれば若い人を雇うのに躊躇することになる。いまでも若年層の就職難が問題になっているのにこれではさらに問題を大きくしてしまう。企業においても人材の流動化が妨げられ、活力を失うであろう。

そもそも定年はどうしてあるのであろうか?定年制を設けた企業側の趣旨は、一定年齢に達するまで働いた人に感謝をし、今後はゆっくりと第二の人生を楽しんでくださいということではないのであろうか?私の好きなTV番組に「人生の楽園」がある。最近はストーリーがワンパターンで飽きてきたが、主人公は定年前に早期退職し、田舎で民宿や食べ物屋を営み、奥様と仲良く暮らすというストーリーである。早期退職ができなくとも定年前に好きなことを始めて定年後の準備をしておく必要があろう。

勿論、仕事が必要という人もいるであろう。企業においても必要な人であれば年齢に関係なく働いてもらいたいと思う。要するに企業は必要な人材であれば本来年齢は関係ない。一方、必要でない人材(能力ではなく、経営方針に合わない人材)は年齢に関係なく、解雇などの自由がほしい。

企業及び個人がより自由に雇用関係を構築することができ、個人は自らの人生を自ら決めることができる方向に社会が向いてほしいと思う。

 

審査請求料について

本年8月1日より出願審査請求料が引き下げられた。ちなみに昭和63年1月1日から平成16年3月31日までの出願は、8万4300円+請求項の数×2000円、平成16年4月1日以降の出願は、16万8600円+請求項の数×4000円である。本年8月1日以降に審査請求する場合(出願日は関係ない)は、11万8000円+請求項の数×4000円である。この審査請求料の引き下げ自体は好ましいことであるが、本年の引き下げは、平成16年4月1日以降の出願と比較すると約25%減となるが、それ以前と比較すると、30%増ということになる。そもそも平成16年の引き上げが大き過ぎたのである。このように大幅な引き上げは、明らかに審査の対象を減らしたいという政策的なものであった。

では一体、審査請求料はどのぐらいが妥当なのであろうか?特許庁は独立採算で運用しているので、審査にかかる費用を積み上げればよいのであろうか?審査にかかる費用は、サーチ料と審査料に別れ、それぞれの単価を出せばよい。しかしながら、このような方式は一般企業では受け入れられるであろうか?やはり他国との比較が必要と思われる。

米国は、サーチ料500ドル、審査料200ドルである。1ドル79円とすれば両者の合計で5万5300円である。EPは、サーチ料が1105ユーロ、審査料が1480ユーロで、1ユーロ113円とすれば29万2105円である。米国とEPと比較すると差が大きいが、EPは35カ国分とすればそれほど高くはない。また、特許を取得するのにどの国が魅力あるかはGDPが参考になるであろう。日本のGDPに比べ、米国は3倍、EPは4倍である。なお、最近GDPで日本が追い抜かれた中国は、2000元で、1元14円とすれば、2万8000円である。

このように考えると、今回の引き下げでも日本の審査請求料は高すぎる。請求項加算なくして3万円程度が妥当であるが、日本の審査が優れていると考えるならば10万円程であれば、高いけれどもしかたがないかと感じられるのではないか。さらなる引き下げをお願いしたい。